小学校「父母と先生の会」(PTA)第二次参考規約[1954]
小学校「父母と先生の会」(PTA)参考規約
この規約は、日本のPTA活動を、より実情に即したものとし、今までの「与えられた規約」から「自からつくり、自から実行の責を負う」規約たらしめPTA会員の規約に対する関心と責任を深める契機となるような意図で作成されたが、今後単位PTAが規約を改正する場合、一参考資料として活用していただけば幸いである。
文部省 昭和二十九年三月
昭和二九年二月四日
PTA審議会決定
小学校「父母と先生の会」(PTA)参考規約
第一章 名称および事務所
第一条 この会は、○○小学校父母と先生の会(PTA)という。
第二条 この会は事務所を○○に置く。
第二章 目的および活動
第三条 この会は、父母と教員とが協力して、家庭と学校と社会における児童・青少年の幸福な成長をはかることを目的とする。
第四条 この会は、前条の目的をとげるために、次の活動をする。
一、よい父母、よい教員となるように努める。
二、家庭と学校との緊密な連絡によつて、児童・青少年の生活を補導する。
三、児童・青少年の生活環境をよくする。
四、公教育費を充実することに努める。
五、国際理解に努める。
第三章 方針
第五条 この会は、教育を本旨とする民主団体として、次の方針に従つて活動する。
一、児童・青少年の教育ならびに福祉のために活動する他の団体および機関と協力する。
二、特定の政党や宗教にかたよることなく、またもっぱら営利を目的とするような行為は行わない。
三、この会またはこの会の役員の名で、公私の選挙の候補者を推薦しない。
四、学校の人事その他管理には干渉しない。
第四章 会員
第六条 この会の会員となることのできる者は、次のとおりである。
一、○○小学校に在籍する児童の父母またはこれに代る者。
二、○○小学校の校長および教員。
三、この会の主旨に賛同する者。
2 ただし、第三号に該当する者の入会は、運営委員会が決定する。
第七条 この会の会員は、会費を納めるものとする。
2 会費は、年額○○円とし、分納することができる。
第八条 会員は、すべて平等の義務と権利とを有する。
第九条 この会の会員は、○○区郡市協議会、○○都道府県協議会および○○全国協議会の会員となる。
第五章 経理
第十条 この会の活動に要する経費は、会費、寄付金およびその他の収入によって支弁される。
第十一条 この会の経理は、総会において議決された予算に基づいて行われる。
第十二条 この会の決算は、会計監査を経て、総会に報告され、承認を得なければならない。
第十三条 この会の会計年度は、毎年四月一日から始まり、翌年の三月三十一日に終る。
第六章 役員
第十四条 この会の役員は次のとおりである。
会長 一名 副会長 一名 書記 一名 会計 一名
役員は、他の役員、会計監査委員または選挙管理委員を兼ねることができない。
第十五条 役員は、総会に出席した会員の無記名投票により、選挙される。
第十六条 役員の任期は、一年とする。ただし、同じ役員の職については、一回に限り、再任を妨げない。
2 役員は、引続いて他の役員に選任されることができる。ただし、役員の職にあることが連続し、通算して四年を超えてはならない。
第十七条 会長は、次の職務を行う。
一、総会および運営委員会を招集し、会議の議長となる。
二、他の役員および校長の意見を聞いて、常置委員会の委員長を委嘱する。
三、運営委員会の承認を得て、臨時委員会の委員長を委嘱する。
2 会長は、役員・会計監査委員候補者指名委員会、選挙管理委員および会計監査委員の集会を除くすべての集会に出席して、意見を述べることができる。
第十八粂 副会長は、会長を補佐し、会長に事故があるときは、その職務を代行する。
第十九条 書記は、次の職務を行う。
一、総会および運営委員会の議事ならびにこの会の活動に関する重要事項を記録する。
二、記録、通信その他の書類を保管する。
三、会長の指示にしたがって、この会の庶務を行う。
第二十条 会計は、次の職務を行う。
一、総会が決定した予算に基づいて、いっさいの会計事務を処理する。
二、定期総会のつど、会計報告をする。
三、年度末総会において、会計監査委員の監査を経た決算報告をする。
四、この会の財産を管理する。
五、予算の立案について協力する。
第七章 会計監査委員
第二十一条 この会の経理を監査するため、三名の会計監査委員を置く。
第二十二条 会計監査委員は、総会に出席した会員の無記名投票により、選挙される。
第二十三条 会計監査委員は、必要に応じ、随時、会計監査を行うことができる。
筋二十四条 会計監査委員の任期は、一年とする。
第八章 選挙管理委員
第二十五条 役員および会計監査委員の選挙に関する事務を処理するときには、三名の選挙管理委員を置く。
第二十六条 選挙管理委員は、総会に出席した会員の無記名投票により、選挙される。
第二十七条 選挙管理委員は、その任務を終了したときに、解任される。
第九章 役員・会計監査委員候補者指名委員会
第二十八条 役員および会計監査委員の候補者を指名するときには、役員・会計監査委員候補者指名委員会(以下「指名委員会」という)を置く。
第二十九条 指名委員会の委員の数と選出の方法は、細則で定める。
第三十条 指名委員会の委員は、その任務を終了したときに解任される。
第十章 総会
第三十一条 総会は 全会員をもって構成され、この会の最高決議機関である。
第三十二条 総会は、定期総会および臨時総会とする。
2 定期総会は、四月、○月……一月、二月および三月に開催する。臨時総会は、運営委員会が必要と認めたときまたは会員の十分の一以上の要求があったときに開催する。
第三十三条 総会は、会員の現在数の五分の一以上出席しなければ、その議事を開き、議決することができない。
第三十四条 総会の議事は、出席者の過半数で決する。
第十一章 運営委員会
第三十五条 運営委員会は、役員、常置委員会の委員長、校長および臨時委員会のある場合には、その委員長をもって構成され、この規約に定めるもののほか、役員、会計監査委員、指名委員会、選挙管理委員、常置委員会および臨時委員会の権限以外の事務を処理し、かつ常置委員会の連絡調整をはかり、総会に提出する議案を調整する。
第三十六条 運営委員会は、会長が必要と認めたとき、または構成員の四分の一以上の要求があったときに開催する。
第三十七条 運営委員会委員の現在数の二分の一以上出席しなければ、その議事を開き、議決することができない。
第三十八条 運営委員会の議事は、出席者の過半数で決する。
第十二章 常置委員会および臨時委員会
第三十九条 この会の活動に必要な事項について、調査、研究、立案するために、常置委員会を置く。
2 常置委員会についての必要な事項は、細則で定める。
第四十条 特別な事項について、必要があるときには、臨時委員会を設けることができる。
2 臨時委員会について、必要な事項は、細則で定める。
第十三章 細則
第四十一条 この会の運営に関し必要な細則は、この規約に反しない限りにおいて、運営委員会の議決を経て定める。
2 運営委員会は、細則を制定または改廃した場合には、その結果を次期総会に報告しなければならない。
第十四章 改正
第四十二条 この規約は、総会において、出席者の三分の二以上の賛成がなければ改正することができない。ただし、改正案は、総会の開催の少くとも、二週間前に全会員に知らせておかなければならない。
細 則
第一章 役員、会計監査委員ならびに選挙管理委員の選挙および就任
第一条 役員、会計委員ならびに選挙管理委員の選挙および就任は、左のとおり行われる。
一、九名の委員からなる指名委員会を次の方法によってつくる。
イ 父母の中から、次のとおり六名を選出する。
(1)各学級の父母は、互選により、それぞれ一名の学級代表を選出する。
(2)これらの学級代表は、学年ごとに会合して、互選により、それぞれ一名の指名委員を選出する。
ロ 教員の中から、互選により二名の指名委員を選出する。
ハ 運営委員会の中から、互選により、一名の指名委員を選出する。
二、指名委員は、役員および会計監査委員の候補者および選挙管理委員になることができない。
三、指名委員の名を一月の総会に発表する。
四、一月の総会において、選挙管理委員三名を選出する。
五、指名委員会は、各役員ならびに会計監査委員別に、選挙の少くとも十五日前までに、定員以上の候補者を指名する。
六、選挙管理委員は、選挙の少くとも十日前までに、候補者の氏名、住所、性別、年齢、PTAにおける経歴、職業を全会員に知らせる。
2 選挙管理委員は、選挙に関するその他いっさいの事務をとりあつかう。
七、候補者の追加指名は、選挙を行う総会において、一般会員からなすことができる。
八、候補者の氏名は、指名委員会によってなされる場合も、前号の場合も、その氏名を発表する前に、被指名者の同意を得なければならない。
九、役員および会計監査委員は、二月の総会において、総会に出席した会員の無記名投票により、過半数決で選挙される。
十、役員および会計監査委員は、三月の年度総会において就任する。
第二条 会長に欠員を生じたときには、副会長が昇格する。任期は前任者の残任期間とする。
第三条 会長以外の役員に欠員を生じたときには、運営委員会がこれを補充する。任期は前任者の残任期間とする。
第二章 総会
第四条 会員の異動および新役員に関する報告、ならびに年間計画および収支予算の審議決定は、四月の総会で行う。
第五条 会計監査を経た収支決算報告の承認は、三月の年度末総会で行う。
第三章 常置委員会および臨時委員会
第六条 常置委員会として、企画委員会、予算会計委員会、会員委員会、児童厚生委員会、校外補導委員会、学校給食協力委員会、広報委員会、就学前教育委員会、成人教育委員会、渉外連絡委員会を置く。
第七条 臨時委員会は、その任務を終了したときに、解散する。
第八条 各常置委員会の委員は、それぞれ委員長の推薦に基づいて、会長が委嘱する。
第九条 委員長および委員の任期は一年とする。ただし引続き一年間だけは留任してもよい。
第十条 企画委員会は、
一、他の各種委員会の意見を総合調整して、年間計画をたてる。
二、この計画に基づく諸活動を評価して、次の企画の資料とする。
三、総会の議事日程を立案する。
企画委員の数は、○名とする。
第十一条 予算会計委員会は、
一、年間計画に基づく活動に必要な収支の予算を立案する。
二、総会が決定した予算に基づいて経理が行われるように協力する。
三、必要に応じ補正予算を立てる。
予算会計委員の数は、○名とする。
第十二条 会員委員会は、
一、この会の主旨の解明につとめ、すべての会員がよい理解と自由意志とをもって入会するようにする。
二、会員名簿をつくり、常に会員の特技、関心、異動について知っているようにする。
三、会員相互の連絡と親睦をはかる。
四、通信の伝達、会費の徴集その他各種委員会の活動に協力する。
会員委員の数は、○名とする。
第十三粂 児童厚生委員会は、
一、一般児童の福利厚生をはかる。
二、特殊な事情にある児童の援助、補導につとめる。
児童厚生委員の数は、○名とする。
第十四条 校外補導委員会は、児童の家庭生活、社会生活ならびに児童相互の自主的集団生活の補導をする。
校外補導委員の数は、○名とする。
第十五条 学校給食協力委員会は、学校給食が十分な効果をあげるように協力し、ひいては各家庭の食生活の改善をはかる。
学校給食協力委員の数は、○名とする。
第十六条 広報委員会は、この会の会員に対し、また必要に応じその地域社会ならびに関係諸機関および、諸団体に対し、情報の伝達、意見の交換につとめる。
広報委員の数は、○名とする。
第十七条 就学前教育委員会は、就学前の乳幼児が、心身ともに健やかに成長することにつとめる。
就学前教育委員の数は、○名とする。
第十八条 成人教育委員会は、
一、すべての会員が、一層よい父母、よい教員となるように、みずからつとめ、互に磨き合うようにする。
二、地域社会に対し、この会の教育的な催しに参加する機会を与える。
成人教育委員の数は、○名とする。
第十九条 渉外連絡委員会は、児童青少年の教育ならびに福祉に関して、この会と同じ目的をもつ他の団体または機関、ことに近隣のPTAおよびPTA連絡協議会と連絡し、この会およびこの会の会員との意志の疎通をはかる。
渉外連絡委員の数は、○名とする。
第二十条 校長は、学校管理ならびに教育上、各常置委員会または臨時委員会に出席して意見を述べることができる。
第四章 改正
第二十一条 この細則は、運営委員会において、構成員の三分の二以上の賛成がなければ、改正することができない。ただし改正案は、運営委員会の少くとも一週間前に、各構成員に知らせておかなければならない。改正の結果は、次期総会に報告しなければならない。
備 考
一、この参考規約は、各単位PTAにおいて規約を検討する場合の参考資料として、各地PTAの要望にこたえ、文部省父母と先生の会分科審議会が、従来の参考規約を修正草案したものである。
なお、最後決定に至るまでには、日本父母と先生の会全国協議会、都道府県教育委員会を通じて全国PTAの意見を求め、できるだけこれを採り入れることに努めた。
二、この参考規約は、国、公、私立の別なく、全国すべての小学校PTA規約の基準を示そうとしたものであるから、これを個々のPTAにそのまま適用し難いことはいうまでもない。各単位PTAは、この参考親約の意のあるところをよく把握した上、必要に応じ、それぞれの学校、それぞれの地域の実情に即して、自主的な改正をして頂きたい。
三、この参考規約は、資料の性格上、最大公約的な一つの線をうちだしているが、決してこれが唯一無二のものではない。次の諸点については、次のような別なゆきかたもあり得る。
(1) 区郡市協議会、都道府県協議会、または全国協議会に現に加入していないか、あるいは加入する意志をもっていないPTAにおいては、規約第九条の一部または全文を削除すべきことは勿論であって、この参考規約は、未加入者に対して加入を強要するような意図は全く持っていない。ここにこのような条文を特にかかげたのは、およそいかなる連絡組織であっても、これを構成する会員のひとりひとりの自覚と責任に根ざさない限り真の民主的運営と発展は期せられないばかりか、時として統制の拠点となる恐れさえあると思うからである。(規約第九条)
(2) 役員となるべき者の資格について、規約の上でなんらの条件をつけなくても、一票一票の正しい判断によって、良い役員が選挙される期待が持たれるならば、この参考規約のとおりでよいが、まだ会員の自覚がその域に達していないと思われるPTAにおいては、従来の参考規約に準じて、必要な条件をつけた方が安全である。
特に規約第六条第三号に該当する者の被選挙権については、それぞれ地域に即して慎重に考慮すべきである。
婦人会員に対して、役員になる機会を多くするために、過渡的措置として、役員の定数を一名以上にする必要な場合も考えられる。(規約第六条)
(3) 会計監査委員は年度末一定期間のみ置くかについては、実情に即してよく得失を検討すべきである。また必要によっては公認会計士に監査を求めることもできる。(規約第二十四条)
(4) 総会や運営委員会を成立させるに必要な出席の条件(定足数)は、百%を以て理想とする。例えば、総会の出席は五分の一で十分だというのではない。せめて、五分の一はという意味であって、高率である程望ましい。
このために、規約としてはできるだけ高率なものにしておいて、これを適用する総会の方を限定するという方法も考えられる。(規約第三十三条、三十七条)
(5) 指名委員会の構成の仕方については全会員の意思がまんべんなく公正に反映することが肝要な点であって、選出の足場は必ずしも学級でなくてもよい。たとえば農村地域においては、部落を単位にして選出した方が便利でもあり、また結果もよい場合があるであろう。ときには部落、学級、両面が考慮されてもよい。(細則第一条の一)
(6) 表決の仕方には、三分の二決、過半数決、最高点決等いろいろある。選挙の表決は、過半数決になるのが通例であるが、候補者の多い場合など選挙の手続きを省くために最高点決を採用することがあり、また原則を過半数決としておいて、過半得票のない場合、直ちに決選投票の方法をとることもある。(細則第一条の九)
(7) 役員選挙を前年度未にするか、当年度初めにするかについては、いずれをとっても一長一短で問題が残る。この参考規約は、前者の方が理論的にも実際的にも比較的長所が多いという見解から二月選挙のゆき方をとったが、各単位PTAにおいては、種々の場合を十分に研究して善処されたい。(細則第一条の九)
(8) 常置委員会については、全国PTAの実情にかんがみ、必要にして設置可能と思われるものを、列挙してあるが、おのおののPTAがこれを全部網羅しなければならないというのではない。各PTAにおいてこの中から必要なものだけをとり、また事情によってはここにあげていない委員会をつけ加えることも自由である。(細則第六条)
(9) 委員会の構成の仕方については、この参考規約のようにすれば会長と各委員会、したがってまた委員会相互の関係はうまくゆくが、このようなゆき方が妥当であるためには、そもそも会長選挙の時、各委員長委嘱の権限をまかせても心配のない人を選ぶ必要がある。この点がもし不安ならば、たとえば指名委員の選出の方法にならって、先ず委員をきめ、委員の互選によって委員長を決定するゆき方をとってもよい。(規約第十七条の二、三、細則第八条)
四、PTAの全活動が「よい父母、よい教員」をつくるものでなければならないが、特に「よい父母、よい教員となる」ための具体的な研究、調査、立案の衝に当るのが成人教育委員会である。(規約第四条の一、細則第十八条の一)
五、公教育費とは、ひとり義務教育に限らず、およそ児童青少年の教育に係わりを持つすべての家庭教育ならびに社会教育の公的な教育費を意味する。これを確立することが、国民全体の責任であることは、憲法や教育基本法の明示するところであるが、特にPTAが「教育を本旨とする民主団体」としてこのことを目的にかかげるのは、じつに貧困な教育財政の現実の要請である。公教育費が確立すればするほど、PTAの学校後援会的な望ましからざる性格は払拭され、ひいては、PTAの活動がもっぱら児童・青少年の福祉増進にむけられるようになってくる。(親約第四条の四)
六、「もっぱら営利を目的とするような行為は行わない」という意味は、例えば、バザーとか映画会とかのように、それ自体教育的な意味を持っていて、かねてなにがしかの収益を伴いこれを個人の利得とするのでなく、子どもたちのために生かすというような場合はさしつかえないという意味である。(規約第五条の二)
七、「この会の会員となる者は」とか「‥‥ならなければならない者は」としないで「…‥会員となることのできる者は」としてあるところに「自由入会」の精神が示されている。PTAが民立団体である限り、会員になることも、会員に止まることも自覚に基づく個人個人の由由であって、いささかも強制があってはならない。(規約第六条)
八、PTAの会費とは、PTA本来の目的にそう活動に必要な財源の一つであって、会員のひとりひとりが義務として平等に負担すべきものである。公費援助に関する経費は、左のような理由で、収支ともに、これとは全く別途の扱いにすべきである。(規約第十条)
1 公費援助は、本来の目的ではない。
2.本来の目的でないことに関して、会員を義務づけることはできない。会費として扱えば会員すべてにその負担を義務づけることになる。
3 T会員といえども、会費はP会員と同様に納めなければならない。ただし、公費援助の義務はない。
4 公費援助については、PTA会員でない一般の人々にも協力を求めてよい。しかし、PTA会費は会員でない人からとることはできない。
5 会費は、各会員同額でなければならないが、公費援助は、必ずしも同額であるを要しない。人により理解と能力に応じて差があってよい。
九、この参考規約では、PTAの会計年度を学校の会計年度と一致させる便宜上、四月一日から翌年三月三十一日までとしてあるが、会計監査ならびに決算報告およびその承認は、経理事務の実際問題として、翌年度の四月か五月でないとできない。
これを年度末に行うことは、ほとんど不可能である。しかし、一方、予算をたてた者が決算の結果についても責任をとることは大切である。そのためには、小学校PTAならば六分の一、中高PTAならば三分の一の会員が、自然退会する前の年度末総会において是非とも、当年度の決算報告をし、その承認を得る必要がある。そこで、この必要性と経理の実際との矛盾を解決する一法として、次のようなことが考えられる。このような便法は、年度がわりに日時の余裕のないわが国においてはやむを得ないことであろう。(規約第二十条の三)
1 一応二月末なら二月末現在に、収支の決算をし、監査をうけ、年度末総会において承認を求める。
2 三月三十一日までの決算の整理を終えた後、改めて前年度の監査委員の監査を受け、その結果を現在の会員には総会において、前年度退会した人々には書面で報告し、意見があったら申出るよう希望する。
十、二月総会において選挙された翌年度の役員の就任は、当年度事務が一応完了する三月の年度末総会においてなされるのであるが、予定された役員は選出と同時に、直ちに翌年度の準備、各委員会の人選、(年間計画および収支予算の立案等)にかかることが望ましい。選挙総会から年度末までの間の期間は、現役員と翌年度役員になるべき者とが併存することになるので、この機会を事務の引継に活用すべきである。(細則第一条の十)
十一、幼稚園、中学校、高等学校のPTAは、この参考規約にそれぞれの特殊性を加味して、それぞれの規約を研究して頂きたい。
出典「大阪教育法研究会」様