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総合教育会議とPTA
【5126】 FJN 2015/07/08(Wed) 00:47
今年の4月から、各自治体に【総合教育会議】というもの――★click here★参照――が出来ました。
首長と教育委員会(教育長&教育委員)とが、会議を開き、協働して自治体の教育行政を推進していく仕組みです(たぶん。つい今さっきから私は勉強しはじめました<自嘲>)。
モデルとして、まず、埼玉県の八潮市の総合教育会議の議事録を見ています。
すでに、この4月から会議が5回開かれ、今月6回目が開かれる予定です。
   ◆参照サイト――八潮市の当該サイトページ★click here★

さて、第4回会議議事録――★click here★参照/PDFファイルは★click here★――のp.8-p.9に、こう書かれています。
(事務局)
・「市民の声ボックス」に、現在策定中の教育大綱の中に学校における個人情報保護及び法令遵守について記述してほしい旨のご意見をいただきました。ご協議をお願いいたします。
(構成員)
・いろいろな背景がある中でのご意見だと思う。学校から発信する個人情報について教員一人ひとりの意識の向上が必要である。以前は学校の緊急連絡網に住所・電話が記載され、全保護者に配布されていた。個人情報保護の観点から廃止されているが、緊急時には必要最低限のものとして扱っている現状はあるだろう。メール配信などにより周知する方法もあるので、大綱ではなく、教育委員会としてPTA、校長会等で徹底した方が良いのではないか。
(事務局)
・資料なしでの説明でしたので、ご意見があれば次回いただきたいと思います。
(構成員)
・個人情報保護法は国の基幹法令であり、市では条例にも規定している。教育大綱とは別にした方が良いだろう。事務局から説明を受け、次回協議したい。

第5回会議議事録――★click here★参照/PDFファイルは★click here★――のp.8-p.9には、こう書かれています。
●市民の声ボックスについて
(事務局)
・前回もご説明しましたが、「市民の声ボックス」に教育現場における個人情報保護、法令遵守を大綱に記述すべきという提言がありました。何かご意見はございますか。
(構成員)
・教育大綱は、@市長が作成、A教育、学術及び文化の振興に関する総合的な施策の記載、B教育の目標や根本となる方針とされ、この趣旨に沿って、これまで議論してきた。個人情報保護について市内校長連絡協議会でも周知徹底を図ったところである。また、毎年「八潮の教育」を発行しているので、その中で明確にしていきたいと思う。
・個人情報保護等については社会規範の中で生かされていくべきであり、大綱に盛り込む必要はないと思う。
・マイナンバー制度や年金の情報漏えいなどもあり、個人情報の取扱いについて法律の改正を含めてより厳格、適正な運用が示されると思う。法律、条例等で適正な対応をしていく。教育が目指す大綱とは趣旨が違う。

ここで、別スレッドの【5123】★click here★で紹介した首都大学東京准教授・木村さんのコメント(2015年6月28日京都新聞)を再掲します。
PTAへの強制加入は憲法21条が保障する「結社の自由」の侵害に当たる。
「集団登校に入らせない」など退会者に圧力をかけるのは、憲法14条の「法の下の平等」の違反になる。
強制入会が可能になっているのは、学校が名簿を渡しているためだが、これは個人情報の第三者提供に当たり、自治体の条例違反になる。

各地の総合教育会議が、
  現時点で明らかに
  「PTAと公立学校とは手に手を取って堕落している、
   つまり、法令をシカトしている(可能性が超高い)」
  という事実に、
  今後、気づいて適宜是正していくチャンスを得た
――という自覚を持つことに期待したいと思います。
総合教育会議が出来るよりも前から【法令シカト系のPTA&公立学校】に気づいて適宜是正しはじめている自治体を、ここ数年の動向からランダムに挙げれば(漏れは追い追い補記します)、
  ・横浜市
  ・千葉市
  ・狛江市
  ・名古屋市
  ・安城市
  ・杵築市
  ・八潮市
  ・その他(杉並区、世田谷区、大田区、八王子市、国分寺市、札幌市、岡山市、彦根市、仙台市、松戸市、那覇市、河南町、茨木市、栗東市、吹田市、熊本市、草加市、福岡市etc.)
だといえます。

なお、上に挙げた幾つかの自治体のうち八潮市の動向について、以下、記します。
参照先は八潮市の市教委サイトの、
   ▼教育委員会会議結果(平成26年)★click here★
   ▼教育委員会会議結果(平成27年)★click here★
――です。

八潮市の≪平成26年第10回教育委員会議事録≫のp.9-p.10に、こうあります。
●柳澤学校教育部次長兼学務課長
2件については、同じ方からの質問となっており、学校での個人情報の取扱いについての質問となっております。
まず、学校での個人情報保護に関する適用法律・条例についての質問があり、続いて、個人情報の入手元、その個人情報を使える者、具体的な個人情報保護に関するガイドライン、その管理・監査について、さらに、ある市での事例を出されて、この事例では、通学班の編成時に新入生の保護者に承諾なくPTAに対して新入生の個人情報を提供していた事について、学校が保護者に謝罪したとの事例でしたが、本市でこのような事例があるのか、あった場合の責任の所在、対応方法、市及び学校での管轄部署、責任者、その責任者に対して直接依頼する場合の方法について質問がありました。
回答といたしましては、市内の学校で個人情報保護が適用されるものは、八潮市個人情報保護条例であること、情報の入手元としては、住民基本台帳から作成する就学通知の名簿、保護者から提出していただく調査表があること、情報の使用者は学校の教職員、具体的な個人情報保護については市の個人情報保護条例や各学校での校内規定で規定していること、その管理・監査については、市教育委員会による校内規定の確認・指導や年2回の学校訪問(東部教育事務所による学校管理訪問や教育長訪問)で実施していること。
また、通学班編成についてのPTAへの情報提供に関連しては、一部の学校でそのような事例はあるが、「個人情報であるので目的外の使用をしないなど取扱いには十分注意する旨を伝えて使用していただいている。」こと、事例への対応については、埼玉県教育委員会の規定による懲戒処分の基準での対応(秘密漏えい、個人の秘密情報の目的外収集、個人情報の紛失、盗難)がありますと回答させていただいており、市内の学校の服務監督者は教育委員会であると回答いたしました。最後の責任者への依頼については、市民の声ボックスへの投書と回答させていただきました。
なお、今回いただいたご意見については、市内各小中学校長へ周知するとともに、学校で取り扱う児童生徒の個人情報については、適正な取扱いを行うよう指導してまいりますと回答いたしました。
この回答をさせていただいたところ、次の投書がありました。内容といたしましては、PTAへの個人情報提供について、八潮市の対応を再度詳細に確認する質問でありまして、市の個人情報保護条例にのっとった対応がなされていないので、問題であり、是正する必要があるとの意見も含まれていました。
また、PTAのような任意の外部団体への個人情報の「無断提供」は自治体としてはあってはならない事であるとし、投書者の方が無断での個人情報提供が無いように希望するには、どのようにしたら良いのかについてご質問がありました。
2回目の回答といたしましては、学校での個人情報の取扱いについては、認識が不足していたことがあり、今後については、利用目的の明示や個人情報の提供についての書面での同意を行うなど、市の個人情報保護条例に基づいて対応をしていくことを回答しております。
なお、この2回の投書を受けて、市教育委員会としては、今後、学校での個人情報の取扱いについて、市内で統一した対応を行えるよう、臨時の校長会を8月22日に開催し、この2回の投書の内容と回答、今後の取組方針を市内の各小中学校の校長へ説明しております。
今後の対応としましては、学校での個人情報の取扱いの現状を把握するためアンケート調査を行い、その結果を踏まえて、市教育委員会で統一した様式例の検討を行い、次年度に向けて各学校で対応していただけるよう各学校へ様式などを通知していきたいと考えております。

同じく≪平成27年第1回教育委員会議事録≫のp.5-p.6には、こうあります。
(3)学校における個人情報保護の対応について
今年度からの対応として、各校長先生には、入学説明会の際のPTAの説明とPTAの資料については、可能な限り別になるように順番を検討していただくなど対応を依頼いたしました。また、投書者との面談で、少なくとも自分の子どもが入学する学校だけでも早急に対応していただきたいとの意見がありまして、投書者も入学する学校の校長に話をして対応を依頼している状況となっております。そこで、該当する学校では、PTAの方とも話し合いをして、PTAへ個人情報の提供を行わないことやPTA自身で個人情報を収集する方法などを検討していただく予定となっております。
今回の個人情報保護の対応については、1月の校長会で各校長へ依頼させていただいた後、1月24日に行われた八潮市PTA連合会会長会議において、投書者の意見と今後の対応などについて説明させていただいております。

時系列を遡ると≪平成26年第13回教育委員会議事録≫のp.6に、こうあります。
現在は、このような状況が続くと、通常業務が支障をきたすことになりかねますので、市民の声ボックスアドバイザーに助言をいただくように手続きを行っているところです。
・・・「なりかねますので」は「なりますので」または「なりかねませんので」の意味だと思います(笑)。
ちなみに【このような状況が続くと、通常業務が〔に〕支障をきたす】というのは、市民の声ボックスに寄せられた、教育行政の不調に関する「真摯な指摘」に「真摯に対応」し続けると通常業務がヨレヨレになってしまう(それほどまでに教育行政が不調である)といったようなことを指すと思われます。

同じく≪平成26年第14回教育委員会議事録≫のp.6-p.7に、こうあります。
2件目と3件目は、19番目と21番目の投書でございまして、これまで個人情報に関する事やPTAに関する事で投書をいただいている方からの投書です。今回も前回同様に長文による投書でございまして、質問も18項目や12項目と非常に多くの質問がされております。
今回の2件の投書に関しては、『市民の声ボックスアドバイザー』の方の助言を参考に、質問に関する回答は一切せずに、回答については、お会いして回答したい旨の回答を用意したところでしたが、市民の声ボックスの担当課(広聴広報課)が回答を返信する用意をしていたところ、投書者の方から電話で担当課に問い合わせがあり、直ぐにでもあって話を聞きたいとのことでしたが、その当日は、学務課では業務が詰まっていて対応できなかったため、個人情報の関係で庁内の対応について回答を作成した総務人事課の職員と広聴広報課の職員が対応しました。
その時の話では、この21番の投書の内容について持論を交えて話をしたとのことでした。やはり教育委員会の担当課に話しを聞きたいとのことで、後日面談をできるようにして欲しいとの要望を残してその日はお帰りになりました。
翌週に学務課職員と総務人事課職員が対応して投書者と面談を行いました。約2時間の面談を行い、改めて、個人情報保護に対する認識の甘さや、今回、自分の子どもが入学する学校からもらった個人情報に関する書類について、法に基づいた対応となっていないので改めて欲しいとのこと、来年度の開始までにはまだ時間があるので、それまでに、「PTAへの個人情報の提供」や「保護者への個人情報取扱に関する同意書の内容」を見直して、提出する文書を差替えるべきとの意見をいただきました。
学務課としては、今回の面談の内容を校長会に報告するとともに、今後の対応を相談していきたいと回答しました。ただし、PTAとの関係については、直ぐに見直す事はできないので、まずPTA会長が集まる会議で今回の事を説明していきたいと回答しました。投書者からは、今回の内容を報告した結果を教えて欲しいとのことでした。この件については、今後も出来るところから対応をしていきたいと考えております。

上掲した八潮市の総合教育会議の第5回会議議事録にあった、
個人情報保護について市内校長連絡協議会でも周知徹底を図ったところである。また、毎年「八潮の教育」を発行しているので、その中で明確にしていきたいと思う。
――という発言は、おそらく教育長の発言でしょう。
PTAに対する要請や指導について発言がなかったことは不可解ですけれど、引き続き、総合教育会議と教育委員会(の会議)のコンプライアンス教育に取り組む姿勢を見守ろうといった気分でおります。

【5127】 とまて 2015/07/08(Wed) 23:09
FJNさん、興味深い内容、ありがとうございます。
この様な内容が話し合われ、また、ネットに議事録を公開しているのは、とても貴重なことだと思います。

奈良市はどうかな?と検索したら、★click here★けっこうシンプルで驚きでした。【総合教育会議】は、50名に対して傍聴券を発行することを知りました。録音とかはちまきや腕章は禁止だそうですが。


【5128】 FJN 2015/07/09(Thu) 20:45
とまてさん、レスありがとうございます!
奈良市が第1回の総合教育会議を6月になってから開いたというのは、けっこう遅く、なかなかユニークな歴史的事実だと思います。
総合教育会議制度が面白いのは、
    首長が
    教育行政の理念と現実を
    学習しなければならなくなった!
――という点かもしれません。
来年から、18歳以上の国民に選挙の投票権が与えられます。
18歳(間近の人)が政治/行政を実地的に学習するチャンスだと思います。
私は、義務教育修了者に投票権が与えられるのが好い、という意見の持ち主です。
中学校を卒業したあたりの年齢、つまり15歳以上に投票権があってしかるべきだと考えます。
したがって、小学校の教科書にも中学校の教科書にも、
   PTAに入会しなくていいし、
   PTAを退会してもいい。
   このことを「PTAは任意加入の組織である」と言う。
――という事実情報が明記され、児童生徒が学習するのが好いと思います。
そうすると、校長・教頭ほかの先生も保護者も「PTAは任意加入の組織である」という事実/知識を児童生徒とともに学習できます。
学習した児童生徒たちは「PTAは任意加入の組織である」事実/知識を知らない大人たちに投票権があることをいぶかしく感じるかもしれませんけれど、そう感じるのも好いことだと思います。
来年の夏あたりに投票権をゲットする18歳以上の人々が『これまでの20歳以上の大人たちは政治を真面目に考えていたのだろうか』といぶかしく感じるかもしれないのと同じくらい、好いことのような気がします。
青少年が権利・知識を持つことによって、大人は自分たちの持っている権利・知識を試されますから、まともな社会を維持するために好い刺激になると思います。


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